歯科医に聞く見えない矯正の選び方

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本日は、審美歯科治療、特に見えない矯正に詳しいG歯科クリニックのH先生にお話を伺います。先生、最近「見えない矯正」を希望される患者さんが増えていると聞きますが、どのような方が多いのでしょうか。はい、やはり矯正装置の見た目を気にされる方が圧倒的に多いですね。特に成人の方で、お仕事の関係上、目立つ装置は避けたいという方や、結婚式などのライフイベントを控えている方からのご相談が増えています。見えない矯正には、裏側矯正やマウスピース型矯正などがありますが、患者さんはどのように治療法を選べば良いのでしょうか。まず大切なのは、患者さんご自身の歯並びの状態(不正咬合の種類や程度)が、それぞれの治療法の適応範囲内であるかどうかです。例えば、非常に複雑な歯の移動が必要な場合や、抜歯を伴うような大幅な歯列の再構築が必要な場合には、マウスピース型矯正よりも裏側矯正や、場合によっては表側矯正の方が適していることもあります。次に、患者さんのライフスタイルや何を優先されるかによって選択肢が変わってきます。例えば、とにかく他人に気づかれずに矯正したいという審美性を最優先される方で、多少の違和感や費用の高さは許容できるという場合には、裏側矯正が有力な候補となります。一方、食事や歯磨きを普段通りに行いたい、装置の取り外しができる方が良い、という利便性を重視される方で、決められた装着時間をしっかりと守れる自己管理能力のある方には、マウスピース型矯正が適しているかもしれません。また、費用面も重要な選択基準の一つです。一般的に、裏側矯正は技術的な難易度が高いため費用が高めに設定されており、マウスピース型矯正は症例の難易度や治療期間によって費用が変動します。私たち歯科医師は、まず精密検査を行い、患者さんのご希望を丁寧にお伺いした上で、それぞれの治療法のメリット・デメリット、適応症例、費用、治療期間などを総合的に説明し、患者さんと一緒に最適な治療法を決定していきます。自己判断せずに、まずは専門医にご相談いただくことが重要です。