お子様の歯並びや噛み合わせは、親御さんにとって大きな関心事の一つでしょう。成長期に行う歯列矯正は、将来の口腔内の健康はもちろんのこと、全身の健やかな発育にも繋がる大切な治療と位置づけられています。そして、その治療費用は、医療費控除の対象となる可能性が高いことをご存知でしょうか。子供の歯列矯正が医療費控除の対象となりやすい主な理由は、その多くが「治療目的」と判断されるためです。大人の矯正では美容目的か治療目的かの判断が難しいケースもありますが、子供の場合は、不正咬合が顎骨の正常な成長を妨げたり、咀嚼機能や発音機能の発達に悪影響を及ぼしたりする可能性があるため、早期の治療が推奨されることが多いのです。例えば、出っ歯(上顎前突)、受け口(下顎前突)、叢生(歯のガタガタ)、開咬といった症状は、放置すると将来的に様々な問題を引き起こす可能性があるため、これらを改善するための矯正治療は、医学的な必要性が高いと見なされます。この治療目的であることを示すためには、担当の歯科医師に診断書を作成してもらうのが最も確実です。診断書には、お子様の現在の歯並びの状態、それによって懸念される問題点、そして矯正治療の必要性が記載されます。医療費控除を申請するのは、お子様本人ではなく、生計を共にする親御さんになります。親御さんの所得から医療費控除を受けることで、所得税や住民税の負担が軽減されます。申請のためには、治療にかかった費用の領収書、歯科医師の診断書(必要な場合)、そして通院のための交通費の記録などを保管しておくことが重要です。確定申告の際には、これらの情報を基に医療費控除の明細書を作成し、申告書と共に提出します。お子様の歯列矯正は、将来への投資とも言えます。医療費控除の制度を賢く活用し、経済的な負担を少しでも軽減しながら、お子様の健やかな成長をサポートしましょう。