長年、自分の歯並びにコンプレックスを抱えていました。特に下の歯のガタガタが気になり、思い切り笑うことにどこか躊躇いがあったのです。社会人になり、経済的にも少し余裕が出てきた頃、ついに歯列矯正を決意しました。費用は決して安くはありませんでしたが、将来の健康と自信のためと思い切りました。治療を進める中で、歯科医院のスタッフの方から「歯列矯正の費用も、治療目的なら医療費控除の対象になるんですよ」と教えていただきました。正直、確定申告という言葉自体に馴染みがなく、自分にできるだろうかと不安でしたが、少しでも費用負担が軽くなるならと挑戦してみることにしました。まず、矯正歯科で医療費控除用の診断書を発行してもらいました。これには、私の歯並びの状態と、矯正治療が必要である旨が記載されていました。そして、治療の都度発行される領収書は全てファイリングし、通院に使った電車代も日付と区間、金額をメモに残しておきました。年が明け、いよいよ確定申告の時期。国税庁のウェブサイトにある「確定申告書等作成コーナー」を利用しました。最初は専門用語が多くて戸惑いましたが、画面の指示に従って入力していくと、思ったよりもスムーズに進めることができました。特に、医療費の集計機能は非常に便利で、領収書を見ながら一件ずつ入力していくだけで自動的に計算してくれます。源泉徴収票の内容や、事前に準備していたマイナンバーカードの情報も入力し、最後にe-Taxで電子申告を完了させました。数週間後、税務署から還付金の振込通知が届いたときは、本当に嬉しかったです。思っていた以上の金額が戻ってきたので、矯正治療の大きな励みになりました。この経験を通じて、確定申告は難しいものではなく、きちんと準備すれば誰でもできること、そして知っていると得をする制度なのだと実感しました。