幼い頃から歯並びが悪く、特に八重歯と前歯のガタガタがコンプレックスでした。写真を撮るときはいつも口元を気にしてしまい、思い切り笑うことができませんでした。大人になり、いつかは矯正したいと思いながらも、費用や期間、そして何よりあのギラギラした装置の見た目に抵抗があり、なかなか踏み出せずにいました。しかし、友人がワイヤー矯正を終えて見違えるように綺麗な歯並びになったのを見て、ついに決意。いくつかの矯正歯科でカウンセリングを受け、一番信頼できそうな先生にお願いすることにしました。検査の結果、私の場合は抜歯が必要とのこと。少し怖かったですが、綺麗な歯並びのためと覚悟を決めました。初めてブラケットとワイヤーが装着された日は、口の中が異物感でいっぱいで、うまく話せないし、食事も大変でした。特に最初の数日間は、歯が締め付けられるような痛みがあり、鎮痛剤が手放せませんでした。食べ物がワイヤーに挟まるのも日常茶飯事で、毎食後の歯磨きは必須。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやタフトブラシも駆使して、虫歯にならないよう必死でした。月に一度の調整日には、ワイヤーを締め直されるため、また数日間は鈍い痛みが続きます。正直、何度も「早く終わらないかな」と思ったものです。それでも、鏡を見るたびに少しずつ歯が動いているのが分かると、痛みを忘れるほど嬉しくなりました。特に、気にしていた八重歯が正しい位置に収まり、前歯のガタガタが解消されていく過程は感動的でした。周りの友人からも「歯並び綺麗になってきたね」と言われるようになり、それが大きな励みになりました。そして約2年半後、ついにブラケットを外す日がやってきました。装置が外れた瞬間の開放感と、ツルツルになった歯の表面を舌でなぞった時の感動は今でも忘れられません。鏡に映る自分の歯並びは、まるで別人のよう。長年のコンプレックスから解放され、心から笑えるようになったことが何よりも嬉しかったです。ワイヤー矯正は決して楽な道のりではありませんでしたが、得られた結果はそれ以上の価値がありました。もし歯並びで悩んでいる方がいたら、勇気を出して相談してみることを心からお勧めします。