ワイヤー歯列矯正を始めてから、私の日常は少し変わりました。朝起きてまず鏡で歯の動きをチェックするのが日課になり、食事の後はいつもより丁寧に時間をかけて歯磨きをするようになりました。最初の頃は、ワイヤーの締め付け感や、口内炎の痛みに悩まされることもありましたが、それも徐々に慣れていきました。食べられるものに制限が出てくるのは少し残念でしたが、それも「綺麗な歯並びのため」と思えば我慢できる範囲です。むしろ、硬いものを避けるようになったことで、よく噛んで食べる習慣がついたのは思わぬ副産物かもしれません。矯正生活の中で一番楽しみにしているのは、月に一度の調整日です。調整直後は少し痛みがありますが、それは歯が確実に動いている証拠。歯科衛生士さんに「順調に動いていますね」と言われると、それまでの小さな苦労も吹き飛ぶような気持ちになります。そして、少しずつですが確実に歯並びが整っていくのを見るのは、何とも言えない喜びがあります。以前はコンプレックスだった口元も、今では治療の経過を観察する対象へと変わり、鏡を見るのが苦ではなくなりました。友人との会話の中で、ふと「そういえば、最近歯並び綺麗になったね」と言われた時は、本当に嬉しくて、矯正を始めて良かったと心から思いました。もちろん、装置がついている間は、見た目を気にすることもありますし、食事のたびに食べ物が挟まっていないか気を遣います。でも、それ以上に、理想の歯並びを手に入れるという目標があるから頑張れるのです。ワイヤー矯正は、単に歯を動かすだけでなく、自分自身と向き合い、小さな努力を積み重ねていく過程なのだと感じています。まだ治療は途中ですが、ゴールが見えてきた今、これまでの日々を振り返ると、大変だったことよりも、日々の小さな変化に喜びを感じ、前向きに取り組んできた自分がいたことに気づきます。矯正が終わった時の、最高の笑顔を夢見て、残りの期間も楽しんでいこうと思っています。