ついに始まった、歯列矯正のゴムかけ。先生からは「治療の仕上げ段階でとても重要ですよ」と説明を受けていたものの、実際に自分で小さなゴムを口の中のフックにかける作業は想像以上に大変でした。最初の数日は、鏡とにらめっこしながら、指定された場所にゴムをかけるだけで一苦労。指はうまく入らないし、ゴムはすぐに滑ってあらぬ方向へ飛んでいくしで、朝の忙しい時間には本当にイライラしました。そして何より、ゴムをかけ始めるとジーンとした鈍い痛みが。特に食事の時にゴムを外して、また装着する際のあの締め付けられるような感覚は、なかなか慣れるものではありませんでした。最初の1週間は、正直「こんなの続けられるのかな」と弱気になったこともあります。友達との外食の際も、トイレでこっそりゴムを外したり着けたりするのが面倒で、だんだん口数が少なくなってしまったり。ついつい「今日くらいはいいか」とサボってしまいたくなる気持ちとの戦いでした。でもある日、ふと鏡で自分の歯並びを見たとき、ほんの少しですが、以前よりも歯が動いているような気がしたのです。そして、定期的な調整日に先生から「ゴムかけ、しっかり頑張っていますね。順調に動いていますよ」と言われた時、それまでの苦労が少し報われたような気がして、俄然やる気が出てきました。それからは、ゴムかけを生活の一部として捉えられるように工夫しました。例えば、ゴムをかける時間をアラームで設定したり、交換用のゴムを持ち歩く小さなケースをお気に入りのデザインのものにしたり。食事の時も、外したらすぐに新しいゴムをかける、というルールを自分の中で徹底しました。痛みも、最初の頃に比べればだいぶ和らぎ、むしろゴムをかけていないと何か物足りないような感覚にさえなってきました。長い矯正治療の中でも、このゴムかけ期間は特に自分の努力が試される時期だと感じています。でも、理想の歯並びを手に入れるため、そして何よりも「頑張ったね」と褒めてくれた先生の言葉を励みに、今日も鏡の前で小さなゴムと格闘しています。
私の矯正ゴムかけ奮闘記