下の歯の歯並びだけが気になる、という方は意外と多くいらっしゃいます。上の歯は比較的整っているのに、下の前歯がガタガタしていたり、重なり合っていたりすると、笑顔に自信が持てなかったり、食べ物が詰まりやすかったりといったお悩みにつながることがあります。下の歯の矯正は、このようなお悩みを解決するための有効な手段の一つです。下の歯だけの部分矯正で対応できるケースもあれば、噛み合わせ全体のバランスを考慮して上下の歯を総合的に治療する全体矯正が必要な場合もあります。例えば、下の前歯の軽度な叢生(そうせい:歯がガタガタに生えている状態)であれば、比較的短期間かつ費用を抑えて部分矯正で改善できる可能性があります。この場合、目立ちにくいマウスピース型矯正装置や、歯の裏側に装置をつける舌側矯正の一部などを選択することも可能です。しかし、下の歯の乱れが顎の大きさや上下の歯の噛み合わせのズレに起因している場合は、下の歯だけを動かすだけでは根本的な解決にならず、全体のバランスを考慮した治療計画が必要になります。自己判断で「下の歯だけで大丈夫」と決めつけず、まずは矯正歯科専門医に相談し、精密検査を受けることが重要です。レントゲン撮影や歯型採得、口腔内写真撮影などの検査結果をもとに、歯科医師が現在の歯並びの問題点、適切な治療法、期間、費用などを総合的に診断してくれます。下の歯の歯並びが整うことで、見た目の改善はもちろんのこと、歯磨きがしやすくなり虫歯や歯周病のリスクを軽減できたり、特定の音が発音しやすくなったりする効果も期待できます。コンプレックスを解消し、自信を持った笑顔と健康的な口腔環境を手に入れるために、下の歯の矯正を検討してみてはいかがでしょうか。