歯列矯正の費用を医療費控除として確定申告するにあたり、様々な疑問点が生じることがあります。ここでは、よくある疑問とその対応について解説し、スムーズな申告をサポートします。まず、領収書の取り扱いについてです。歯列矯正は治療期間が長いため、領収書の枚数も多くなりがちです。確定申告の際には、これらの領収書を基に「医療費控除の明細書」を作成します。領収書そのものを申告時に提出する必要はありませんが、税務署から提示を求められた場合に備えて、申告期限から5年間は自宅で大切に保管しておく義務があります。次に、通院にかかった交通費の計算方法です。電車やバスなどの公共交通機関を利用した場合は、日付、利用区間、運賃を記録したメモを作成しておけば、それが証明となります。ICカードを利用している場合は、利用履歴を印字しておくのも良いでしょう。ただし、自家用車での通院にかかるガソリン代や駐車場代は対象外です。デンタルローンやクレジットカードで費用を支払った場合の取り扱いも気になるところです。デンタルローンの場合、信販会社が立て替えて歯科医院に支払った金額が、その立て替えた年の医療費控除の対象となります。ローンの金利や手数料は対象外です。クレジットカード払いの場合も同様に、カード会社が立て替えた金額が対象となり、分割払いの手数料は含まれません。また、家族の医療費をまとめて申告できるかという疑問も多く寄せられます。医療費控除は、納税者本人だけでなく、生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費も合算して申告することが可能です。例えば、ご自身の歯列矯正費用とお子様の歯列矯正費用をまとめて、所得が最も高い方が申告すると、還付額が大きくなる場合があります。これらの疑問点を事前に解消し、必要な書類をしっかりと準備しておくことで、確定申告の手続きは格段にスムーズになります。不明な点は、税務署や税理士に相談することも検討しましょう。