良い審美歯科は、続けにくい。悪い審美歯科は、止めにくい。

「歯列矯正をすると面長になる」というネガティブな情報がインターネット上には溢れていますが、その一方で、歯列矯正によって長年の悩みだった「面長感」が改善されるケースも数多く存在することをご存知でしょうか。実は、特定の歯並びの方にとっては、歯列矯正こそが顔のバランスを整える最も効果的な手段となり得るのです。その代表的な例が、噛み合わせが異常に深い「過蓋咬合（かがいこうごう）」です。過蓋咬合とは、奥歯で噛んだ時に、上の前歯が下の前歯に深く覆いかぶさってしまう状態のことを指します。ひどい場合には、下の前歯が全く見えなくなってしまうこともあります。この状態では、下顎が上顎にめり込むような形になるため、顔の下半分の高さ（下顔面高）が本来あるべき高さよりも低くなってしまっています。これにより、顔全体のバランスが崩れ、相対的にのっぺりとした、あるいは下膨れで締まりのない印象を与えがちです。歯列矯正によってこの過蓋咬合を治療すると、奥歯の噛み合わせを適切な高さに持ち上げたり、前歯を骨の中に少し沈めたり（圧下）します。これにより、低すぎた噛み合わせが正常な高さに戻り、それに伴って下顔面高が適正な長さに回復します。結果として、顔の下半分のバランスが整い、すっきりと引き締まった、理想的な卵型の輪郭に近づくことができるのです。また、笑った時に歯茎が目立つ「ガミースマイル」も、顔が長く見える一因となることがあります。これも、矯正治療で前歯を上方向に移動させることで、上唇が上がりやすくなり、鼻の下から唇までの距離が短縮され、面長感が緩和される効果が期待できます。このように、歯列矯正は、ただ歯を並べるだけの治療ではありません。三次元的に噛み合わせを再構築することで、顔の垂直的なバランスを整え、多くの人が持つ「面長」というコンプレックスを根本から解決する可能性を秘めているのです。もしあなたがご自身の顔の長さに悩んでいるのなら、その原因はもしかしたら噛み合わせにあるのかもしれません。一度、矯正専門医に相談してみてはいかがでしょうか。