高校生が歯列矯正を始めるにあたり、多くの方が気になるのが「痛み」と「治療期間」でしょう。まず痛みについてですが、矯正装置を初めて装着した時や、月に一度程度のワイヤー調整を行った後の数日間は、歯が動くことによる痛みを感じることが一般的です。これは、歯が締め付けられるような鈍い痛みや、噛むと響くような痛みとして現れることが多いですが、通常は2~3日から1週間程度で徐々に和らぎます。痛みの感じ方には個人差が大きく、ほとんど気にならないという方もいれば、痛み止めが必要な方もいます。もし痛みが強い場合は、我慢せずに歯科医師に相談しましょう。また、装置が口の中の粘膜に当たって口内炎ができることもありますが、これは矯正用ワックスでカバーすることで軽減できます。次に治療期間ですが、これも歯並びの状態や治療法によって大きく異なります。一般的に、部分的な矯正であれば数ヶ月から1年程度、歯全体を動かす本格的な矯正であれば1年半から3年程度かかることが多いです。高校生の時期は、顎の成長がある程度残っている場合があり、歯の移動も比較的スムーズに進みやすいため、成人よりも治療期間が短くなる傾向があると言われています。ただし、抜歯が必要な場合や、骨格的な問題が大きい場合には、治療期間が長くなることもあります。治療をスムーズに進め、期間を短縮するためには、歯科医師の指示通りに装置を使用し、定期的な通院を欠かさず、ゴムかけなどの協力が必要な場合にはしっかりと行うことが大切です。また、丁寧な歯磨きを心がけ、虫歯や歯周病にならないように注意することも重要です。矯正治療は、一時的な不快感や手間が伴いますが、その先には美しい歯並びと健康な噛み合わせが待っています。不安なことや疑問点は事前に歯科医師によく相談し、納得した上で治療を始めるようにしましょう。