昔から自分の横顔が好きではありませんでした。いわゆる「口ゴボ」で、口元がもっこりと前に出ているのがコンプレックスでした。意識して口を閉じようとすると、顎に梅干しのようなシワができてしまい、それもまた悩みの一つでした。そして、20代後半に差し掛かった頃から、もう一つの悩みが浮上してきました。それは、ほうれい線です。最初は笑った時にうっすらと見える程度だったのですが、年齢を重ねるごとに、無表情の時でもくっきりとその存在を主張するようになってきたのです。高級な美容液を試したり、フェイシャルマッサージに通ったりもしましたが、効果は一時的。なぜ私のほうれい線はこんなに目立つのだろうと悩んでいた時、ふと「もしかして口ゴボと関係があるのでは?」と思い至りました。インターネットで調べてみると、口ゴボの人は口周りの筋肉に不自然な力が入りやすく、それがほうれい線を深くする原因になることがあると書かれていました。また、口元が出ている分、頬の肉がたるんで見えやすいという記述もあり、まさに自分のことだと感じました。そこで、思い切って矯正歯科のカウンセリングを受けてみることに。歯科医師の先生は私の口元の状態を診察し、レントゲン写真などを見ながら、「確かに口ゴボがほうれい線を目立たせる一因になっている可能性はありますね。歯列矯正で口元を後退させることで、口周りの筋肉の緊張が緩和され、ほうれい線も浅く見えるようになるかもしれません」と説明してくれました。もちろん、矯正治療だけでほうれい線が完全に消えるわけではないけれど、根本的な原因の一つにアプローチできるかもしれない、という言葉に希望を感じました。現在、歯列矯正に向けて精密検査を進めているところです。時間はかかると思いますが、長年のコンプレックスだった口ゴボと、日に日に深まるほうれい線の両方にアプローチできるかもしれないと思うと、治療へのモチベーションも上がります。