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開咬治療が顔の印象を変えた物語
昔から「おっとりしているね」と言われることが多かったAさん(26歳)。自分ではそんなつもりはないのに、なぜかいつもそう見られてしまうのが、小さな悩みでした。その原因の一つが、彼女の口元にありました。Aさんは、奥歯でしっかり噛んでも前歯が閉じず、常に数ミリの隙間が空いてしまう「開咬(オープンバイト)」という不正咬合だったのです。このため、無意識のうちに口がぽかんと開いてしまい、どこか締まりのない、ぼんやりとした印象を与えてしまっていました。また、前歯で食べ物を噛み切ることができないため、食事はいつも奥歯頼り。麺類をすするのも苦手でした。そんな長年の悩みを解決するため、Aさんは矯正専門のクリニックの扉を叩きました。精密検査の結果、Aさんの開咬の原因は、奥歯が正常な位置よりも伸びすぎている(挺出)ことにあると診断されました。そこで、歯科医師が提案したのは、インプラントアンカーを用いた「臼歯の圧下」という治療法でした。これは、奥歯の近くの歯茎に小さなネジを埋め込み、そこを固定源として、伸びすぎた奥歯を骨の方向へ沈めていくという、現代矯正歯科ならではの先進的な治療です。治療が始まると、奥歯は計画通りに少しずつ圧下していきました。それに伴い、驚くべき変化が起こりました。奥歯の高さが低くなることで、下顎全体が蝶番のように「反時計回り」に回転し始めたのです。そして、治療開始から一年半が過ぎた頃には、これまで一度も触れ合ったことのなかった上下の前歯が、ぴったりと閉じるようになりました。Aさんは、生まれて初めて前歯でパスタを噛み切れた日、感動で涙が出そうになったと言います。そして、治療が完了した時、Aさんが手に入れたのは、正常な噛み合わせだけではありませんでした。下顎が回転したことで、顔の下半分の長さが短縮され、ぼんやりとしていた輪郭が、すっきりと引き締まったシャープな印象に変わっていたのです。友人からも「なんだか最近、美人になった?」「顔が小さくなったね」と言われることが増えました。開咬治療は、Aさんから締まりのない口元を奪い、代わりに自信に満ちた知的な笑顔と、理想のフェイスラインをプレゼントしてくれたのです。