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歯科医に聞く奥歯の噛み合わせ異常
本日は噛み合わせ治療を専門とされるA歯科医師にお話を伺います。先生、奥歯が当たらないという悩みを抱える患者さんは多いのでしょうか。はい、そのような症状で来院される方は少なくありません。奥歯が適切に接触しない状態は、専門的には臼歯部未接触(きゅうしぶみせっしょく)や開咬(かいこう)といった不正咬合の一種として捉えられます。原因は多岐にわたり、先天的な骨格の問題、指しゃぶりや舌突出癖などの習癖、歯周病による歯の移動、あるいは不適切な歯科治療などが挙げられます。診断の際には、まず患者さんの自覚症状や生活習慣を詳しく伺い、口腔内写真、レントゲン写真、歯列模型、場合によっては顎運動検査などを行い、総合的に評価します。特に重要なのは、なぜ奥歯が当たらなくなったのか、その根本原因を見極めることです。治療法は原因や症状の程度によって異なります。例えば、軽度な場合はマウスピース型の装置を用いたり、歯の表面をわずかに削って調整したりすることで改善することがあります。習癖が原因であれば、その癖を改善するためのトレーニングも有効です。骨格的な問題が大きい場合や、歯の移動量が大きい場合には、矯正治療が必要となることもあります。また、古い被せ物や詰め物が原因であれば、それらを適切な高さや形態に作り直す補綴治療を行います。大切なのは、奥歯が当たらない状態を放置しないことです。咀嚼機能の低下だけでなく、顎関節症や他の歯への負担増、さらには全身のバランスにも影響を及ぼす可能性があるため、気になる症状があれば早めに専門医にご相談いただきたいと思います。